進学塾ena 授業クオリティを左右する”教師の質”の実態を解説|アルバイト講師の限界
今回は、これまでお伝えしてきた進学塾enaにおける授業クオリティがあがらない3つの問題の1つである”教師の質”について、解説したいと思います。
3つの問題の概要はこちら↓の記事で解説しています。

- 進学塾enaでは、授業の半分くらいはアルバイト教師が受け持つ(低学年ほど割合が高い)
- アルバイト教師という特性上、どうしても授業のクオリティがあがらない。個々人の能力ではなくアルバイトという形式からくる問題
アルバイト教師の残念なクオリティ(実例)
まず、2025年度の小4コースを受講したなかで、実際にあった実例を紹介します。
これらの実例は、1、2回起こっただけというものではなく恒常的に起こっていた印象です。
実例1:授業段取りが悪い
小4後期の国語の授業から作文の練習が始まります。
その授業中のなかで、あるテーマに関する作文を書く場面で起こりました。
①出来た人から教師の机に持って来させて添削する
- 「出来た人から持ってきて」と生徒に指示を出す。
- 指示に従い、出来た子から教卓の前に並んでいく。
- 単純に添削待ちの時間ができる。
➡単純に待ち時間が無駄
②添削待ちの間にやっておくことの指示なし
- 並んでいる子は、もちろん並んでいるだけで他のことはできない。次第に前後の子たちと喋りだす。
- 添削が終わった子も、自席に着席するが待っている間、何をするかは個人の裁量に任される。
➡小4の自主性に任せることで教室内が荒れだす
③生徒全員の添削チェックもない
- 教師で誰を添削したかを確認していない。
- 結果、2回添削にくる子もいれば、1回も添削しに来ない子も存在。それを判別もしていない。
➡小学校のような授業運営
一言でいえば、授業の段取りが悪い、ということです。
小学生の特性を何も考えず(深く考えず)に授業運営した結果、必然的にこういう状況になったりします。
実例2:対話型になっていない
進学塾enaのパンフレットにも書いてありますが、進学塾enaは、生徒たちに自ら気づきを与えることを重視し、教師が一方的に教えるのではない「発問」を重視しています。
ーーですが、残念ながらアルバイト教師の授業では「発問」になっていない以下のような授業進行がたびたび行われます。
①板書のない授業進行
- 板書なし。教師自ら教科書を読み上げて線引きの指示だけする。
- 教科書の解説が終わると問題集を解かせる。
➡単元の内容を「発問」しながら進めることは皆無
②自己完結型の解説
- 教科書に書いてある順に説明を行う(生徒が理解しやすい流れを考えてない)
- 一度提示した例示を、解説を進めるうちに「こっちの方がよかったな」と自己解決し、例示を書き直す(生徒はノートに書き写した例示がなぜ変わったのかの理解が付いていけない)
- 授業内で実施した小テストで生徒の間違えが多かった問題の解説もない(クラス内で理解が甘い箇所を十分にフォローしてくれない)
端的に言えば、与えられた教材(教科書)の内容を読んで、その内容を自分の解釈を加えて説明しているだけ。という感じです。
小学生がまだ習っていない知識や、躓きやすいポイントの考慮はほぼないような状態で授業が進みます。
アルバイト教師の特性上の限界
少なくとも昨年度の小4コースでは、実例で紹介したような授業進行が行われることが、よくありました。
ただ正直、これが『アルバイト教師の限界』だとも思います。
なぜなら、アルバイト教師の多くは
『大学生(18~22歳)であり、シフト勤務(時間給)で働いている』
からです。
彼ら大学生の主業は、学業やキャンパスライフを楽しむことです。
塾教師のアルバイトは片手間であり、小遣い稼ぎの手段でしかないことがむしろ自然です。
※誤解なきよう補足しますが、これは一般的な大学生のマインドセットでアルバイト教師全員が片手間且つ小遣い稼ぎの姿勢でやっていると断定しているわけではありません。
彼らは、日中帯は大学の授業を受け、その後、シフト開始時刻(≒授業開始時刻の直前)に来て、そのまま(何の前準備もなく)授業に突入します。
授業の5分前に校舎に来る人がほとんどです。アルバイトなんだから当たり前ですが。
そして、その場の勢いで授業を進める。もともとの地頭の良さがあるため、前準備がなくとも、その場で教科書を読みながらでも、授業進行はカバーできてしまいます。
これらの状況は、個々のアルバイト教師の問題ではなく、アルバイトという働き方が、そうさせているということです。
それ自体が『アルバイト教師の限界』と、私は感じています。
どうしても超えられないプロ教師の壁、しかもそれを仕組みでフォローできていない
アルバイト教師を務めている学生たちは、有名大学に在籍している方が多いので、学力が不足しているということはありません。
ただ、指導経験がないため、授業段取りが悪い場面があったりするのは事実です。
その不足を、授業開始15分前に塾校舎に来て当日授業の段取り確認をするだけで、随分と授業クオリティが上がるとも思います。なにせ地頭が良いですから。
でも、おそらく授業の単元ごとにシフトが組まれているのでしょう。だからこそ授業直前に来る。
一方、塾教師を主業として働いているプロ教師は(勤務時間が定められているので当たり前ですが)授業開始前から塾校舎に入り、授業を実施する以外のことに時間を使えます。
この時間の使い方の差がアルバイト教師とプロ教師の決定的なクオリティの差となります。
進学塾enaは、アルバイト教師を使うことを前提とした塾であるため、この『アルバイト教師の限界』という穴を抱えた塾運営をしているということです。
それに対し、競合となる大手塾は、基本的にプロ教師での授業を展開しています。

塾の授業クオリティだけで、中学受験は成功するものではありません。
ですが、高い費用をかけるのだから、きちんとしたクオリティはほしい、と思うのが心情です。
アルバイト教師に対しても、事前準備のための時間も勤務時間シフトに組み込む等、塾側でフォローアップする仕組みを作ることで、授業クオリティをあげる余地はあると思います。
この運営の穴を抱えつつ、他の大手塾よりクオリティの面で優位性をどのように出していくのか、今後の進学塾enaの展開を見守っていこうと思います。

