通塾者が語る進学塾enaの授業のクオリティ|対面授業と単方向映像授業のリアルな評判を解説

今回は、enaの授業の内容と、通学者から見た授業のクオリティについて解説したいと思います。
- enaでは「発問」授業を重視しているが「発問」授業がされるかは講師による。
- 単方向映像授業はクオリティ高い。対面授業と単方向映像授業を組み合わせて利用することで授業への理解は充足できる。
enaの通常の講座には、校舎での対面授業と単方向映像授業というものがあります。
校舎での対面授業
enaの校舎での集団授業です。enaでは、生徒たちに自ら気づきを与えることを重視し、教師が一方的に教えるのではなく「発問」を重視しています。
クラス構成は少人数、成績によるクラス分けは無い
enaは230校を超える校舎数なので校舎あたりの生徒の数が、そんなに大人数にならない傾向があります。そういった背景もあり、クラスは最大10名程度の人数で構成されます。
クラスの人数は少ないので「発問」がなされやすい環境だと言えます。
また成績によるクラス分けはありません。小6になるとそれぞれの進路希望(都立中を軸に狙うのか、私立中を軸に狙うのか)によってコース分けされるため、結果クラスが分かれるという程度です。
またクラスの中での席順は小6から成績順になりますが小5までは自由です。
他塾の場合だと、定期的なクラス分けテストが実施されるところが多いですが、enaは校舎での競争というものはほぼない形式で運営されています。唯一、競争を感じるのは学力判定テストの結果順位が校舎の掲示板に貼り出されることだけです。
「授業の質」=「講師の質」×「塾の授業運営方針」
授業の質は、講師の質と塾の授業運営方針で決まります。
「講師の質」は個々人で差がある
まず講師の質に関して先に結論を言えば「講師による」です。
enaの校舎ではプロ講師が2~3名(校舎の塾長含む)とアルバイト講師(大学生等)で構成されています。プロ講師もアルバイト講師も当たりはずれがあります。ただ相対的に言えばプロ講師の方がはずれが少ないです。
通塾している中で感じた、よくある「残念なところ」は以下です。
講師種別 | よくある「残念なところ」 |
---|---|
アルバイト講師 | ・授業での説明の流れがイマイチ(事前準備してない!?) ・講師だけが延々としゃべり続ける(「発問」になってない) ・急にいなくなる(例:冬期講習あけたらいなくなっている) |
プロ講師 | ・各講師の自論がある(ノートはキレイに書く、理科は絵を描いて覚えろ、このテストは何点は取れないとダメ、教室で学校の宿題はやってはダメ等) |
アルバイト講師は大学生がほとんどだと思います。彼らは難関大学に通うほど成績は優秀で中学入試の問題でわからないものは1つもないと思います。ただ、勉強できるからと言って指導ができるとは限りません。
指導経験が少ないということもあり、授業での説明の流れがイマイチな方も多数いらっしゃいます。授業前に今日の単元の説明の流れを考えて練習や準備をせずに授業をやっている人がほとんどじゃないかと思います。仕事というより学生が学生に教えているような感じです。
それに比べて、プロ講師で説明がわかりにくいという方はほぼいません。このあたりは指導経験の差が如実に出ています。
一方、プロ講師は長年やってきた故のそれぞれの型というか自論があったりします。これは人それぞれですが、うちの通っている塾で経験したのは「ノートはキレイに書く」「理科は絵を描いて覚えろ」「このテストは何点は取れないとダメ」という主張でした。主張自体は間違ってるとは思わないのですが講師によって主張が異なることがあるため、小学生は迷うことが発生します。
ほとんどの場合においてenaの校舎の中で1番、授業の質が高い講師は塾長だと思います。
授業の質を均等かするための「授業運営方針」
授業運営方針とは「講師の質」にバラツキがあっても「授業の質」を均等化するためのルールです。
これを塾や校舎で定め、現場でキッチリと守って運営しているところは、極端に質の悪い授業が少なくなり、授業の品質を一定に保つことができます。
例えるならマクドナルドのマニュアルのようなものです。マニュアルによってアルバイトでも一定の品質で作業ができるようになる、という仕組み化の1つです。
ただ、enaには(少なくともうちが通っている校舎では)そういったものがあるように思えないのが現場の実態です。
通塾している中で感じた、実際にあった「残念なところ」は以下です。
よくある「残念なところ」 | 内容補足(実際にあったこと) |
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対話式にならない授業 | 講師だけが延々としゃべり続ける(講師の質が出てしまっている) |
授業が時間通り終わらない | 特定の講師は、ほぼ毎回、終了予定時刻が15分延長する |
講師間の情報連携がされない | 次回の授業で講師が変更になる場合に、前回の授業で終了した箇所や宿題の内容が引継ぎされない(講師変更は頻繁に発生) |
提出物に対するフィードバックが少ない | 提出物の内容が良かった場合は「よくできました」しかフィードバックがなく、何がよかったのか?がわからない。 悪かった場合も「もっと丁寧に」等、具体性に欠けており対策がしにくい。 |
これら↑は、個々の講師の問題というより、enaとして「講師陣は最低限このルールや手続きに沿って授業を進めなさい」というルールがない、もしくはルールが現場に徹底できてないため、起こっている事象だと思います。
ただこれはenaに限った話ではなく、どこの塾でも同じような状況になっているように感じます。唯一、難関私立中対策を謳っている大手塾の専門校舎だけは、ある程度、統一感を持った授業をしているように見えます。
enaが、このようになっている原因としては、ena全体としての授業運営方針というものがなく、各校舎(塾長)に任されているが多くの塾長は多忙を極め、そこまで手が行き届いてないのではないかと感じます。(通学者として校舎での状況を見てきた所感です)
「発問」重視の授業がされるかは講師によるのが現状
クラスの人数は少ないので「発問」がなされやすい環境であるものの、実際に「発問」を重視した授業の進め方がされるかは講師によるというのが現状です。
enaの授業は基本的にはアルバイト講師が実施することが多く、校舎に2~3名在籍しているプロ講師が実施することは稀です。うちが通う校舎だと小4で週4~5枠の授業がありますが、プロ講師はそのうち1回程度です。
アルバイトと言えど「発問」重視で授業を進めるよう事前に授業運営方針に基づいた指導を受けていれば、一定の授業品質を保てると思いますが、実際は、ずっと単方向でしゃべり続ける方も事実いらっしゃいます。
これはenaとして(または校舎として)授業運営方針を定めて、各校舎でキチンと運営できていないという現れとも思います。
もちろん「発問」授業ができる講師の方もいらっしゃいます。が、結果できない方もいらっしゃるので、結果的には担当の「講師の質」による(あたりはずれがある)という状況かと思います。
単方向映像授業
enaでは校舎での授業に加え、インターネットを通じた単方向映像授業を受けることができます。
単方向映像授業とは、簡単に言えば、各単元の講義動画視聴サービスです。いつでも、どこでも、繰り返し視聴することができるのがメリットです。
利用シーンとしては、宿題でわからないところがあった場合に復習として動画を視聴するといった使い方になります。この単方向映像授業は、対面授業の代わりになるものではなく、対面授業の補完をする位置づけとなっています。
プロ講師によるわかりやすい説明
この授業の良い点は、なんといっても、説明がわかりやすいということです。
enaのなかでも実力がある講師が講義収録しているのがわかります。
講師の授業の進め方は、抑揚があったり、説明を明快にしてくれてたり、板書を丁寧に書いてくれてたり、単方向と言えど語りかけてくれたり、と工夫が施されており、退屈せずに授業を視聴できるようになっています。
授業中の説明だけで言えば、正直、校舎での対面授業より質が高いと感じます。単方向映像授業と同等のクオリティで講義できるのは校長だけだと思います。
基本的に塾からのフォローはない
とてもわかりやすい単方向映像授業。ただ残念な点もあります。
残念な点は、この単方向映像授業だけで独立しており、校舎での対面授業との連携は一切ないということです。
単方向映像授業で取り扱っている単元は、校舎での授業の単元と同じになっていますが、校舎での授業の前後で、この単方向映像授業を見ることを促すことは一切なく、あくまでも見たい人が自主的に視聴するものになっています。
せっかくわかりやすい授業になっているのだから対面授業と組み合わせて、授業の復習や少し難しい宿題の解き方のヒントとして閲覧を勧めるようにガイドしてくれたら、とても良くなるのに。と思います。
おそらく、単方向映像授業は塾本部でやっていることで、対面授業を実施している各校舎との連携が十分にとれてないように感じます。
校舎は毎日の現場仕事で多忙を極めていると思うので、単方向映像授業と対面授業の組み合わせについては、本部が各校舎に展開してもらわないと難しいだろうなとも思います。
テキスト全ての設問の解説を収録してくれたら申し分なし
あともうひとつの残念な点は、収録されている解説はテキスト中の問題の一部ということ。
したがいテキストの設問でわからない問題が収録されていればラッキー。収録されていない場合は、塾で講師に質問する。というのが実情です。
テキスト全ての設問が収録されていれば、ほぼ完全にテキストでの不明点は自宅で解消できるため、言うことなしな状態になります。(結果校舎の負担も減るんじゃないかとも思います)
なので、全ての解説を収録してくれるのを期待して待ちたいと思います。
まとめ:対面授業と単方向映像授業を組み合わせることで単元の理解はできる
校舎での対面授業は、残念ながら講師によるあたりはずれがある状況です。(enaに限った話ではないと思いますが)
ただ、それを補うものとして単方向映像授業は使えると思います。
対面授業と単方向映像授業を組み合わせて利用することで、授業への理解は充足できるというのが現状です。(塾に費用を払っている身からすると対面授業がはずれだと損している心情が出てしまうものですが…)
授業運営方針を定めて各校舎でキチンと運営することと、単方向映像授業の解説単元の拡充をしてくれたら、かなり授業の質があがると思うので本部に意見提出してみようかな、と思う今日この頃です。
