進学塾ena主催模試「enaオープン」の最新事情を解説（25年度版）｜都私立対応塾への方針変更に伴う影響も丸わかり

今回はena主催の模試「enaオープン」について解説します。

enaで主催している模試の種類

enaで主催している模試には大きく、無料で受けられる模試と有料の模試があります。

無料模試と有料模試の違いはこちら↓

今回は無料の模試である「enaオープン」を取り上げます。

enaオープンとは

enaオープンは、誰でも受けられる無料の模試です。概要は以下になります。

以降では、enaオープンの詳細を解説していきます。

受験者数

enaオープンの受験者数は、300-400名程度です。（小3～小4における実績）

まだ小4なので受験者数が少ない状態とも言えますが、他の大手塾の主催する無料模試と比較すると受験者数は少ないです。（他の大手塾は同時期の模試で約3000名の受験者数）

出題範囲

試験の科目は、小1～小3は2科（算数、国語）、小4～小6は4科（算数、国語、理科、社会）になります。

出題される問題（小4時点）は、小学校で学習する範囲となっています。

また、小学校で学習する範囲からの出題とはいえ、基本的にはenaの授業で消化した単元の基礎から発展問題が出題されます。enaに限らず進学塾の授業より進んでいる小学校は多くないと思うので、小学校の授業だけで学習をしている子からすると、まだ習ってない単元の出題があるということでもあります。

なお、発展問題は文章形式の設問が多く出題されます。都立適性検査の問題のような登場人物の会話の流れでの設問が出てくることが多く、都立中受験対策を意識しているように感じます。

結果レポート

enaオープンの結果レポートは紙での発行のみとなっています。最近はWebで結果レポート閲覧する塾も多いなか珍しいタイプと言えます。

紙も紙の良さがあるのですが、Webでの結果レポート閲覧ができないのは不便な面もあります。（保管しておかないと過去からの推移がわからない等）

次に結果レポートに記載される内容は以下となっています。

他塾の模試も受けたことがあるとわかりやすいのですが、記載内容は結構ざっくりとしています。詳しくは後述します。

enaオープンの良い点・悪い点

以降では、無料で受けられるenaオープンの良い点・悪い点について解説していきます。

良い点：都立中合否判定結果の信頼性は高い

先に示したとおり、enaオープンは、他塾の模試と比べて受験者数が少ないです。

これは「enaが首都圏にしかない」「都立中一貫校を狙っている以外の子は集まらない」ということが起因しています。

ただ裏を返せば、都立中一貫校を狙っている子だけが集まる模試ということでもあり、その点を考えると、合格判定の結果の信頼性はある程度高いものだと思います。

また、4科毎のテスト形式といえど、都立中のテスト形式である「適性検査対応型」のテスト形式をもとにしている設問が多く出題されるため、そういう意味でも、合格判定の結果の信頼性は高くなっていると思われます。

悪い点：各回の受験者の数にバラツキがある

enaに限らず、他塾の模試は同じような時期に実施されます。

そのため、同日に他塾開催の模試が被ることがあり、結果、他塾の模試へ流れる人が一定数でることにより、各回でも受験者の数にバラツキがでます。

ただでさえ、受験者数が少ない模試の参加人数が減ることになります。つまり、母数が大きく増減することで偏差値に影響がでるため、定期的に受験をして偏差値の推移を見ておかないと真の偏差値を見誤る可能性があります。

悪い点：結果レポートの個別分析が弱く、次につなげにくい

模試というのは同じ志望校を目指すライバル達との差を量るものです。そして、その差を埋める（もしくは広げる）ためにどの単元を強化すべきかまでがわかる必要があります。

その点において、enaオープンの結果レポートは個別分析が弱いと言わざるを得ないです。

具体的には、設問毎の「受験者全体の正答率」と「自身答案の正誤」が記載されてないため、どこが他の受験者との差なのかがわからず、次につなげにくい状況です。

補足：enaオープンの変遷（過去の模試より改悪されてしまっている！）

この「enaオープン」ですが、24年から25年にかけて2度の名称変更がされて、現在の「enaオープン」になっています。

この名称の変更は、近年enaが表明している「都立のena」から「都私立のena」への指導方針の変更の影響を受けたものです。

もともと、enaの無料模試は「適正検査模試」という名称でした。それが24年9月から「都私立中判定模試」という名称になり、そして25年2月から「enaオープン」になりました。

名称からもわかるとおり、24年頃までは都立中一貫校受験を意識した「適性検査模試」でした。それが私立中受験まで対象を広げた結果、より広い意味合いの「enaオープン」になったわけです。

ちなみに「適性検査模試」と「enaオープン」の違いは以下です。

実は、過去の「適性検査模試」のほうが使い勝手がよく、「enaオープン」では以下の点が改悪されてしまっているというのが実情です。

• レポートは、紙とWeb両方で確認できていたが、現在は紙のみ
• レポートには、設問毎の「受験者全体の正答率」と「自身答案の正誤」が記載されていたが、現在は記載なし

まとめ：試験慣れ目的として積極的に活用しよう

解説してきたように、良い点・悪い点それぞれありますが、無料で受けられる模試なので、品質については割り切らないとならないところもあると思います。

enaオープンの結果だけを鵜呑みにして、進めるのではなく、enaの有料模試や他塾の模試も併用していくことが王道といえます。

一方、低学年時は、模試受験によって試験慣れすることができるのは利点だと思います。

低学年時は、enaオープン含め他塾の無料模試をできるだけ受けながら試験慣れを進めていき、高学年時から、志望校に合わせた模試を厳選して受験するという利用の仕方がよいと思います。

あわせて読みたい

記事一覧：模試・テスト

ゴジパパ

毎朝5時起き 教育パパ

XContact

いたって普通の公立小学校に通う子どもと一緒に都立中高一貫校進学を目指している、受験戦争未経験のパパ(毎朝5時起き)です。 受験弱者でも受験成功を勝ち取るために知恵を絞りながら日々の努力を積み重ねる叩き上げスタイルを目指します。 中学受験に向けて頑張っている同志の方の共感いただけることをささやかに目指してながら執筆しています。