進学塾enaの合格実績者数 水増し問題の考察

都立中高一貫校といえば、進学塾enaと言われるほど、enaは都立中高一貫校受験対策塾として有名です。
一方で『enaの合格実績者数は水増しされている…』と至るメディアで言われてもいます。わたしも塾選びをする中、様々なメディアでこのような話を見聞きしたことがあります。
現時点enaへ通塾している身として、どういったことを根拠に言われているのか、を理解しておくべきと思い、25年の各進学塾の合格実績を眺めながら私なりの考察をしてみました。
- enaの合格実績者数のカウントの仕方は他塾と異なる。(10時間以上の指導実績のある生徒までを含めカウントしている)
- 他塾を本科としている生徒の合格も、enaでカウントをされてしまっている事実はあるが、その分を差し引いても、enaの方が大手塾よりも合格の実績が高いと思われる。
水増し問題を取り上げている側の主張
enaの水増し問題を取り上げている方の主張は以下です。
- enaは都立中高一貫校特化型の塾として、HPや各種広告で合格実績数を掲載しているが、その数は純粋なena生徒だけの実績ではない。
- 具体的にはena生徒でなくても10時間以上の指導実績のある生徒までを含めカウントしている。つまり平時大手塾に通っていて小学6年生次にenaの夏期講習や特別授業を受けた生徒も合格実績に含まれている。
- 合格実績数は本科の生徒のみをカウントするのが一般的。各種メディアでこの話題に晒されているenaだが純粋なena生徒のみの実績を公開しない。(もし公開すると実績が激減するから公開できないのだろう、という憶測含み)
確かにこれだけ見ると「フェアじゃない」「誇大広告だ」と言う主張が出るのも理解はできます。
25年度の各塾の合格実績、そこから読み取れること
上述の水増し問題の主張を念頭に25年度の合格実績を眺めてみました(各塾HPより)
今回は都立中最難関校である都立小石川中学の合格実績を取りました。大手塾で難関私立中を本命とし、都立小石川中学を併願として選ぶことが多いためダブりカウントの発生率が高いと考えたためです。
各塾における小石川中学の合格実績は以下のとおりでした。
塾名 | 小石川中学 【定員160名】 |
---|---|
早稲田アカデミー | 15 |
四谷大塚 | – |
日能研 | 13 |
SAPIX | 20 |
ena | 94 |
上記塾の合格実績数【合計】 | 142 |
上記の結果から得られた気づきは以下のとおり。
- 160名の定員に対し、大手塾とenaを足しても142名であり160名を超えてない。(他塾からの合格者や家庭学習からの合格者が一定数いることを踏まえても、そんなにダブりがいるとは思えない)
- 仮に大手塾の合格者全員がenaの特別授業を受けており、enaの合格実績数としてダブりカウントされていた場合であっても、enaの合格実績数は46名であり、各大手塾より合格実績数が高い。
つまり、仮に大手塾で小石川中に合格した生徒全員がena実績でダブりカウントをされていた分を差し引いたとしても、enaの方が大手塾よりも合格の実績が高い。ということです。
まとめ:enaの都立中合格実績は他塾より高い
25年度の合格実績を見てわかったことは、
- enaの都立中合格実績は大手塾よりも高い、は事実。
- 一方で各塾の合格実績の算出方法が異なる、も事実。
- 問題を取り上げている側の主張は広告の仕方が平等ではない、ということでしょうが、enaはホームページで合格者数のカウント方法を明記しているので不正な水増しをしているわけではない。(あたりまえですが)
どこの塾も入塾者を集めるために、こういった高い合格実績をアピールする広告や宣伝があったり、メディアで他塾の批評を暗にしたりと営業に必死です。我々消費者は、そういったまがった宣伝を真に受けず、慎重に塾選びができたらと思います。
最終的には、どこの塾に通おうがその子の頑張り次第。このテーマを書きながら思ったのは、合格者数で塾を決めるのはナンセンスで、その子が1番がんばれる環境を選ぶということが重要だと再認識しました。

