進学塾enaから日能研への転塾を考える|enaと日能研を徹底比較!授業料比較も公開!

今回は、進学塾enaから日能研への転塾の検討に関する解説をしたいと思います。
- 自宅から通いやすいところに日能研がある家庭は転塾の候補となりえる
- 授業・教師のクオリティはenaより良くなる可能性大。それでいて費用は同等(内容が日能研の方が充実している分、割安感あり)
コトの発端は担当教師のクオリティ
小4前期が残り1ヶ月を切ったこのタイミングで、これまでの授業を振り返ってみて気になっている点は、教師のクオリティです。
具体的には、特定の教師の授業時間のコントロールがイマイチで、これまでの授業では以下のようなことがありました。
- 授業の時間配分が上手でなく、授業で実施した設問の解説がないまま、終わることがある。(その後のフォローアップもない)
- おしゃべりしている生徒を構いすぎて、授業の進みが遅くなり、結果当日の単元で消化すべきところまで進まずに終わることがある。
過去の記事にも記載しましたが、現状のenaにおける授業のクオリティは担当教師のクオリティに依存している状況で、担当教師がイマイチだと、それが授業のクオリティ低下に直結する状況になってます。

今後は受験本番に向けて学習内容の難易度があげて中身の濃い授業をやっていく必要があるなか、この授業クオリティでの学習を続けててよいのか?という不安を持ったため、転塾を考え出しました。
進学塾enaの授業スタイルに近い塾は日能研!?
enaのクラス構成は少人数制(10名以下)で、且つ競争がほとんどない形で運営されます。
それ自体が良いか悪いかは置いといて、その運営スタイルはうちの子の性格にはあっています。
転塾を考えるにあたり、そのenaのクラス運営と似たような塾がないかを他塾に通っている知人に聞いてみたしたところ、日能研が似ているとのことでした。
日能研は以下のようなクラス運営で授業が進みます。
- 1クラスは30名程度で構成
- 定期的な学力テストで成績順にクラス分けを行う
- クラス内での授業の進め方自体は平和的に進む(競争・熱血は無い)
1クラス人数は現在通っているena校舎の3倍、月1回のクラス分けテストが実施される等、enaと比較すると、随分と競争感がありそうな運営だと感じるところもありましたが、うちの子の性格を鑑みて重要視したのは、競争や熱血指導は少なく平和的に進むという面でした。
進学塾enaと日能研の授業料比較
小4後期での授業料がいくらかかるのか、を調べた結果は以下のとおりでした。
金額差はほぼなく同程度と言えます。もう少し細かく言えば、入会金を除けば、日能研の方が安いという結果となっています。
費用項目 | 進学塾ena | 日能研 |
---|---|---|
入会金 | なし | 22,000円 |
授業料(9月-1月:5ヶ月) | 162,800円 | 114,400円 |
学力テスト | 授業料に包含 | 34,650円 |
全国公開模試(全5回) | なし | 19,250円 |
教材費 | 46,200円 | 27,654円 |
合計 | 209,000円 | 217,954円 |
細かい点を補足すると、まず「学力テスト」の実施回数が、enaは全5回、日能研は全9回となっており、それでいて費用は日能研の方が安いです。
さらに日能研には全国公開模試(全5回)の費用も含まれています。enaでの同様の模試は別途費用が掛かります。(後期1回開催、費用は4,290円)
任意申し込みなので上記の表には含みませんでしたが、この模試も受けるとなると価格差はもっと開きます。
この費用差を見たら、日能研への気持ちが随分、引き寄せられました。
結論:でも結局enaを継続することにしました
これまで見てきた内容の確認に加え体験授業も受け、子どもの意見も含めたうえで、検討を重ねた結果だした結論は、enaを継続することにしました。
以降では主な理由を説明したいと思います。
日能研の良い点
語弊があるかもしれませんが、enaの授業スタイルと似ていると紹介を受けた日能研。
調べてみたところ、とてもよい塾と感じました。特に良い点と感じたところを解説したいと思います。
プロ教師による安定の授業
転塾候補となった校舎の担当教師は、いずれもプロ(しかも多くが30代以上のベテラン)でした。
塾の説明会で校舎所属の講師の方から模試設問の解説を受けましたが、説明に派手さはないですが危なげないコミュニケーション力で中学受験向けの授業にとても慣れているな、という印象でした。
また小4の教室は騒がしくなることもありますが、その対処にも安定感があり、その影響で授業が遅れることや時間通り終わらないということはありません。(体験授業で確認した範囲での印象です)
enaではアルバイト教師が半数以上だったこともあり、授業のクオリティについては日能研に軍配があがりました。
それでいて費用も割安
授業・教師のクオリティが良いうえに、通塾にかかる費用はenaよりも安くなります。
enaの授業料は大手塾よりも安価というのが、ひと昔前の状況だったのが、いつのまにか、enaの授業料がアップし、この状況が逆転しました。
日能研も、いつかは値上げをするかもしれませんが、現時点ではほぼ同じ単元数であり、且つ模試回数はenaよりも多いため、割安感があります。
私立中受験も視野に入れられる
ご存じ日能研はSAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミーと肩を並べる大手私立中受験対策塾です。
他の大手塾に比べると、詰め込み型というより思考力を伸ばす授業が多い印象がありました。それは日能研の主催模試でも感じたことです。詳細は以下の記事をご覧ください。

思考力を伸ばす授業というのは、近年都私立の問題傾向が近づいてきていることを背景に各塾とも強化している領域だと思います。
思考力の伸ばす授業で適性検査型の試験にも対応しつつ、且つ、私立中のスタンダードである4科型の試験にも対応できるようになることで、都私立の併願受験がより現実的になってくる、というのはメリットだと感じました。
日能研の気になった点
上述したようにクオリティ・費用ともに良い点が多い日能研ですが、転塾を決断するうえでネックになった部分もあります。
以降では、その主な理由を説明したいと思います。
塾までの移動時間
今回の転塾を踏みとどまらせる1番大きな理由はコレです。
日能研は近所にはなく電車で通塾する必要がありました。片道30分。
うちの子も一人で電車に乗れるほどに成長しましたが、この1回の通塾にかかる時間がどうしてもネックとなりました。
具体的には、小学校が15:30過ぎに終わり、帰宅後すぐに自宅を出ても塾まではギリギリ。小学校の終わる時間が延びることもあり、その場合は授業開始時刻に間に合わないこともあり得ます。
また塾が終わるのが19:20。ここから帰宅して20:00着。それから夕食・入浴をして、その後、学校や塾の宿題を実施。そして就寝は22:00頃。これもまた現在のうちの子の生活リズムから大きく変化することになります。
都立中高一貫校を第一志望校にするには不安が残る
良い点で解説した4科私立中受験もターゲットに入れられる間口の広さを得られる一方で、都立中高一貫校の特化対策は事実上なくなります。
そのため、都立中高一貫校を第一志望にするには若干心もとない状態になります。
まだ都立中高一貫校以外の志望校が決まり切っていないなか、適性検査型対策を犠牲にしてまで、4科型試験も受けられるようにする決断ができませんでした。
近くに日能研があったら転塾していた(はず)
ご覧のように今回日能研を見送った1番の理由は時間です。
往復60分の通塾時間の発生が生活リズムを変えてしまうということに踏ん切りがつきませんでした。
うちの子は毎日の学習習慣がついており、塾や学校の宿題も計画的に消化できている状態になっています。ただ、よその受験生と異なり特殊なのは、わたしに似て朝方のリズムになっているというところです。
朝5:00に起床して、学校に行く前に自宅学習をしています。その分、21:30頃には就寝しています。日能研に通うことで、この生活リズムが崩れてしまい、結果、現在の学習習慣も変化することを危惧しました。
つまり、これは日能研に限らず、自宅から離れた塾に転塾するということに対して共通する問題です。
今回わかったことは、日能研のクオリティは良い。ただ今の生活リズムを変えずに通える塾ではなかった、ということでした。
enaのクオリティで引っかかっているご家庭で、近くに日能研がある場合は転塾を考えるに値する塾ですので、1度体験授業の検討をおススメします。

補足:こういったニッチなニーズを対応しているのがenaの戦略
最後に、今回の結果は、端的に言えば、
日能研の他、早稲田アカデミーやSAPIX、四谷大塚等の大手塾は、人が集まりやすい主要駅周辺に立地しており、それはビジネス上、合理的です。
一方、enaは、こういった人が集まりやすい主要駅だけでなく、主要駅から少し距離のあるところに住んでいる(まさに今回のうちのような)家庭を囲い込むための塾展開をして差別化をしているということでもあります。
こういった戦略と取っているenaはある意味ビジネス感がある会社だと改めて思いました。
「ビジネス感がある=良質な学習サービスを提供する」ではないことに気をつけながら、今後のサービスクオリティを消費者として見極めていこうとは思います。